Annual Report 2015 -...
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ボランティア活動国際研究会ボランティア活動国際研究会ボランティア活動国際研究会ボランティア活動国際研究会JAPAN INTERNATIONAL INSTITUTE FOR VOLUNTEERING RESEARCH
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Annual Report 2015
CONTENTS
「市⺠セクターの20年」研究会への参画
ボランティア活動国際研究会の概要
代表からの挨拶
1
2
3「市⺠セクターの20年」研究会への参画
第6回東アジア市⺠社会フォーラムを開催
2016年度事業計画
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JIVRIは、ボランティア活動やNPOの活動を文化的文脈の中で捉えることを目的に
活動している研究会です。今日、ボランティア活動やNPOの分野では、これらを活発
化させるためのグッド・プラクティスの紹介やノウハウなどの開発、あるべき論や
マニュアルの作成などの促成的な啓発活動が盛んですが、それらはややもすると技
ボランティア活動国際研究会の概要
マニュアルの作成などの促成的な啓発活動が盛んですが、それらはややもすると技
術論や理念論に傾きがちで、文化的社会的視点からのアプローチは少ないといわざ
るを得ません。
ボランティア活動やNPO活動が根付くためには、植物にとって土や気候との調和が
必要なように、文化的土壌との融合、文化の継承・発展が根底において必要と思わ
れます。私たちは、表土の下に流れる水脈を見つけたいと思います。それによって、ボランティア活動やNPO活動をよりしっかりした永続的基盤の上にすえることができボランティア活動やNPO活動をよりしっかりした永続的基盤の上にすえることができ
るでしょう。
私たちは、現在東アジアの国々のボランティア活動をその文化的文脈の中で捉え
る研究を進めています。こうした研究成果を発表したり、国際シンポジウムを開い
たりして交流と理解を深めながら、当面は東アジアの共同体づくりに少しでも貢献
してまいります。
代表および幹事の紹介 (敬称略)代表および幹事の紹介 (敬称略)
代表 村上徹也 日本福祉大学教授、青山学院大学客員研究員
副代表 平井 昭 明治安田生命広報部審議役<社会貢献担当>
幹事/事務局長 白石喜春 (公財)公益法人協会研究員、愛媛大学・金沢大学
客員研究員
幹事 秦 辰也 近畿大学教授
幹事 毛 淑華 株式会社訳坊代表取締役
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幹事 毛 淑華 株式会社訳坊代表取締役
幹事 森 隆子 (会計担当)
顧問 青木利元 作家、元JIVRI代表2016年7月現在
代表からの挨拶
JAPAN INTERNATIONAL INSTITUTE FOR VOLUNTEERING RESEARCH
2015年度JIVRIは、第6回東アジア市民社会フォーラムの無錫開催を日本側主催団体
として実現し、東アジアにおける市民社会関係者や団体の相互理解と交流を深めるこ
とができました。また、「市民セクターの20年」研究会のほぼ隔月での開催に参画す
ることにより、日本における市民セクターの発展の経緯と社会に与えたインパクトを
検証する試みに寄与いたしました。
とくに、2009年にJIVRI(ボランティア活動国際研究会)の主催により東京でス
タートした日中韓三国による東アジア市民社会フォーラムは、11年にソウルで、12年
に北京で開催され、13年に2回目のサイクルが再び東京を起点に始まり、14年に全州、
15年に無錫と続きました。今年から、(公財)公益法人協会の主催(JIVRIは共催)15年に無錫と続きました。今年から、(公財)公益法人協会の主催(JIVRIは共催)
で同フォーラムを東京で開催予定で、3回目のサイクルがスタートいたします。参加
国間の市民社会の相互理解と交流を促進することは、ことに東アジアの平和と協調を
図る上で大きな意義を持つという考え方が、13年に開催された130名のフォーラム参
加者の日中韓三カ国の市民社会関係者全員の間で共有されたことは、現下の参加国間
の厳しい政治的な対立状況を考えると大変大きな成果だったといえます。
こうした青木前代表を中心に築いたこれまでの成果を引き継いで、新年度から
JIVRIを更に発展させるように努力してまいります。これまで同様に皆様方にはご指
導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
JIVRI代表 村上 徹也
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2015年度事業概要
2015年度は、中国国際民間組織協力促進会(CANGO)を中心に中国無錫市で開催さ
Annual Report 2015
2015年度は、中国国際民間組織協力促進会(CANGO)を中心に中国無錫市で開催さ
れた第6回東アジア市民社会フォーラムに、日本側主催団体として参画し、東アジア
における市民社会関係者や団体の相互理解と交流を深めることができた。
また、「市民セクターの20年」研究会の開催に参画することにより、日本におけ
る市民セクターの発展の経緯と社会に与えたインパクトを検証する試みに寄与した。
「市⺠セクターの20年」研究会への参画
「市民セクターの20年」研究会への参画を行い、下記の通り研究を行った。
①シリーズ2第2回研究会(2015年5月26日)テーマ:ホームレス・社会的弱者支援のここ20年位の推移と展開テーマ:ホームレス・社会的弱者支援のここ20年位の推移と展開
解説者:佐久間裕章(ふるさとの会代表理事)
②シリーズ2第3回研究会(2015年7月7日)テーマ:助成活動を通してみた、まちづくり分野のNPO・市民活動の20年
解説者:吉野裕之(一般財団法人ハウジングアンドコミュニティ財団)
③シリーズ2第4回研究会(2015年9月8日)③シリーズ2第4回研究会(2015年9月8日)テーマ:里山保全の立場からみた、環境保全分野の活動とNPO・市民活動の20年
解説者:伊井野雄二(特定非営利活動法人 赤目の里山を育てる会 理事長)
④シリーズ2第5回研究会(2015年12月14日)テーマ:ボランティア・市民活動の現場から見た中間支援組織の20年
解説者:熊谷紀良(東京ボランティア・市民活動センター主任)解説者:熊谷紀良(東京ボランティア・市民活動センター主任)
⑤シリーズ2第6回研究会(2016年1月26日)テーマ:子どもの多様な学びの機会を保障する法制度と市民セクターの20年
解説者:中村国生(NPO法人東京シューレ事務局長)
⑥シリーズ2第7回研究会(2016年3月18日)テーマ:地域から子どもの文化・芸術活動を展開する『子ども劇場』の取り組みテーマ:地域から子どもの文化・芸術活動を展開する『子ども劇場』の取り組み
解説者:森本真也子氏(子どもと文化全国フォーラム代表、NPO法人子ども文化地域
コーディネーター協会専務理事)
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JAPAN INTERNATIONAL INSTITUTE FOR VOLUNTEERING RESEARCH
第6回東アジア市⺠社会フォーラムを開催
第6回目の今回は、CANGOがホスト国主催者として、JICA中国事務所、江南大学の協
力を得て開催しました。
参加者は、中国の社会的組織のスタッフ、関連する分野の研究者・学生、共産党・
行政関係者など50名、日本からはNPOの運営者・スタッフ、研究者の他に企業のCSR担
当者など20名(JICA中国事務所関係者を含む)、韓国からはボランティアセンタース
タッフ、ボランティア・市民活動関係者、企業のCSR担当者など30名、合計100名でしタッフ、ボランティア・市民活動関係者、企業のCSR担当者など30名、合計100名でし
た。
中国からの基調講演は、清華大学公益慈善研究院院長、公共管理学院教授、NGO研
究所所長等の役職に就く王名氏より、「中国における公益慈善事業の発展、改革と動向」について報告されました。中国からの問題提起では、まず本フォーラムの主催者
でもある中国国際民間組織合作促進会(CANGO)の副理事長兼秘書長、研究員である
黄浩明氏より、「社会組織と企業との協力の機会と課題」について報告されました。
続いて、2人目の問題提起は、本フォーラムの会場となった江南大学の新社会組織研続いて、2人目の問題提起は、本フォーラムの会場となった江南大学の新社会組織研
究センター准教授の章興鳴氏より、江南大学の所在地である無錫市を事例とし「中国
の特色ある社会の機能不全(社会的組織の発展についての課題)」について報告され
ました。
韓国からの基調講演としてソウル国立大学の趙東成名誉教授(長江商学院教授)よ
り、CSV(共同価値創出)についての報告がありました。韓国の事例報告は2件で、ま
ずはSKブロードバンドCSRチームリーダー/CSRフォーラムの金道泳氏より、韓国企業ずはSKブロードバンドCSRチームリーダー/CSRフォーラムの金道泳氏より、韓国企業のCSRについて報告がありました。続いてSPARKの閔泳瑞氏より、社会的経済について
の報告がありました。最後に崇実サイバー大学鄭ムスン副学長より、企業とNPOとの
関係について特別報告がありました。
日本の基調講演は金田晃一氏(武田薬品工業株式会社コーポレート・コミュニケー
ションズ&パブリックアフェアーズ CSRヘッド)から、日本企業の自然災害支援に
おける中間支援組織の役割と他のアジア諸国への適用の可能性について述べられまし
た。日本からの問題提起1番目は黒田かをり氏(一般財団法人CSOネットワーク事務局た。日本からの問題提起1番目は黒田かをり氏(一般財団法人CSOネットワーク事務局
長)が「日本における企業の社会的責任とNPOの役割」について、2番目は筒井のり子
氏(日本ボランティアコーディネーター協会代表理事)は「市民社会の構築に不可欠
なボランティアコーディネーター(以下「VC」)」についてありました。フォーラム最後は、鈴木勝治氏(公益財団法人公益法人協会専務理事)から「日本における社会
的企業」についての特別報告がありました。
フォーラムでは、今後のフォーラムでの議論につながる、3ヵ国の市民社会にとっフォーラムでは、今後のフォーラムでの議論につながる、3ヵ国の市民社会にとっ
ての共通のアジェンダが浮き彫りになりました。
中国からの報告からは、公益を担う社会的組織の役割が急激に広がっている状況が
伝えられ、並行して法制度の整備と人材育成を含めた市民社会のキャパシティビル
ディングが急がれていることが分かりました。これらの課題は、日韓の市民社会に取
り組みの一日の長があり、中国がこうした段階に入ったことにより、今後は3ヵ国の
議論がかみ合うと期待されます。
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Annual Report 2015
韓国側報告者が共通してあげていたのが、企業とNPO等の連携の必要、また東アジ
アを中心とする国際的な協力・交流の必要でした。企業による独自の社会貢献・ボラアを中心とする国際的な協力・交流の必要でした。企業による独自の社会貢献・ボラ
ンティア活動が強い韓国でも、状況の変化に対応した新しい動きが求められているこ
とが感じられました。
日本からの報告からは、市民社会が市民参加の促進、他セクターとのパートナー
シップ強化を進めるためには、中間支援を行う組織や機能が不可欠であることが共通
に提起され、中間関係者の理解が深まったと確認できました。
「第7回東アジア市民社会フォーラム2016」の日本での開催準備「第7回東アジア市民社会フォーラム2016」の日本での開催準備
第7回東アジア市民社会フォーラム「市民社会とソーシャルイノベーション」を含
め、今後のフォーラムを安定的に開催するために、日本側主催体制の強化策として、
JIVRIから(公財)公益法人協会に日本側主催団体の役割移管を依頼し了解を得まし
た。それにともない、JIVRIは、東アジア市民社会フォーラムの共催団体という位置
づけになり、引き続きフォーラムの開催に参画することになりました。
JIVRI代表の村上が委員長(統括)、JIVRI事務局長の白石が副委員長(事務局)とJIVRI代表の村上が委員長(統括)、JIVRI事務局長の白石が副委員長(事務局)と
して第7回東アジア市民社会フォーラム実行委員会が組織されました。
第6回東アジア市民社会フォーラム(10月9日、中国・無錫市 江南大学)
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JAPAN INTERNATIONAL INSTITUTE FOR VOLUNTEERING RESEARCH
2016年度事業計画
翻訳活動翻訳活動
「日本型『企業の社会貢献』第2部」の英訳を点検し、全文をホームページに掲載すること
については、次年度に持ち越すことになった。
啓発活動
2014年度に引き続き「市民セクターの20年」研究会の世話役会に参画して、日本NPOセン
ター、NPO学会などの関係者、会員に参加を呼びかけ、6回の研究会を通じて延べ83名(世話ター、NPO学会などの関係者、会員に参加を呼びかけ、6回の研究会を通じて延べ83名(世話
役、顧問、解説者を含む)の参加を得た。また、各研究会の報告を公益法人協会の機関誌
「公益法人」に掲載して、研究会の成果の普及を図った。
広報活動
ホームページに、「市民セクターの20年」研究会、第6回東アジア市民社会フォーラムの
開催報告を掲載して、JIVRIの活動の広報を行った。
組織強化活動
会員数12名(前年比±0名)
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ボランティア活動国際研究会URL http://www.jivri.org/index.html
2016.7発行