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第3章 グループインタビュー調査

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第3章

グループインタビュー調査

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Ⅰ.調査概要

1.調査方法

グループインタビュー調査

2.調査対象とグループ構成

銀行、証券会社に勤務し『個人向け国債』の販売に携わっている男女。

・グループ① 男性 : 5 名

・グループ② 女性 : 5 名

・グループ③ 男性 : 5 名

・グループ④ 女性 : 5 名

※対象者のリクルートは WEB 調査会社の調査パネル対象のスクリーニング調

査にて行った。

3.調査内容

①『個人向け国債』の購入者特性

②『個人向け国債』の販売に対する意識

③貴省の『個人向け国債』の広告・販促ツールに対する評価

-ポスター

-パンフレット

-新聞広告

-WEB サイト

※詳細は次頁インタビューフロー参照

4.調査時期

平成 26 年 8 月 30 日(土)、31 日(日)の 2 日間

5.実施会場

「STEP B-1 インタビュールーム」(東京都港区南青山 2-2-15 ウィン青山 B1F)

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「国債広告」に関する FGI インタビュースクリプト

フロー スクリプト

1.導入

(15 分/15 分)

1)主旨説明

◆個人向け国債について、自由に話して頂きたい

◆録音、録画の了解

2)自己紹介

◆名前、仕事(銀行/証券、窓口/外勤、主な業務など)、勤続年数、

国債取り扱い経験年数、現在国債の商品担当者なのか、利用して

いる SNS とその頻度、購読新聞、趣味 など

2.個人向け国債購入者

の特性について

(25 分/40 分)

1) 購入者の特性

◆ご自身或いは店舗での個人向け国債の取り扱い件数/金額の比

率はどれくらい?

◆どのような方が、どのように個人向け国債を購入/購入を検討して

いるか(窓口/外勤取り扱い、それぞれ)

⇒年代、職業、世帯背景(富裕層/一般、家族構成)、男女、購入額、

購入頻度、併買金融商品、購入の目的、魅力と感じている点 等?

⇒初めて購入する方、リピートで購入する方、検討だけで終わる方

はどのような違いがあるのか?

◆個人向け国債の償還資金の行方はどのような状況か?

⇒再び個人向け国債に向かうのはどの程度か?

⇒他に向かう先はどこか?

◆窓口、外勤どちらも経験ありの場合、購入者の特性の違いはある?

どのような違いか?

◆購入に至るまでの経緯は?(窓口/外勤取り扱い、それぞれ)

⇒顧客から申し込みが多いのか、勧誘が多いのか?

⇒それぞれ、どのようなやりとりをしているのか?

⇒それぞれ、どのような販促ツールを、どのタイミングで、どのように

使うのか?

⇒その販促ツールは、財務省作成のものか自社作成か?

⇒顧客はどのような情報をどこから得ているのか、そのことについて

自身はどのような印象を持っているか?

2) 個人向け国債に対する意識

◆個人向け国債と他の金融商品と比べて、どのような違いがあるのか

⇒扱い易さ、営業における個人向け国債の位置付け、成績との関連

など

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フロー スクリプト

◆ご自身が考える、個人向け国債の強み、弱みは?

購入者/購入検討者へはどのように伝えているのか?

⇒2013 年 12 月以降、毎月発行になった影響は?

3.各ツールについて

(30 分/70 分)

1) ポスターの活用及び印象、改善点

◆自社でもポスターを作成しているか?(挙手で確認)

※ポスターを呈示

⇒ポスターの認知の有無を確認

⇒自身の店内の貼付位置の認知を確認

◆改めて、ポスターはどのようなシーンでどのように活用しているか、

自社作成のポスターはどうか?

⇒店頭での告知として、ディスプレイとして、など

◆ポスターの印象や評価できる点とその理由は?

◆ポスターの改善した方が良いと思う点とその理由は?

⇒モデル(イモトアヤコ)、キャラクター(コクサイ先生)、デザイン、情

報内容 など

2) パンフレットの活用及び印象、改善点

◆自社でもパンフレットを作成しているか?(挙手で確認)

※パンフレットを呈示

⇒認知の有無を確認

⇒自身の店内に置いてあるのかの認知を確認

◆改めて、パンフレットはどのようなシーンでどのように活用している

か、自社作成のパンフレットはどうか?

◆自身以外がしている活用法とその効果感の印象は?

⇒DM、ポスティングなど

◆パンフレットの印象や評価できる点とその理由は?

◆パンフレットの改善した方が良いと思う点とその理由は?

⇒キャラクター(コクサイ先生)、デザイン、情報内容 など

3) 新聞広告の活用及び印象、改善点

※新聞広告を呈示(認知の有無を確認)

◆新聞広告の掲載紙や掲載期間の認知は?

⇒その効果感はどのように感じているか

◆新聞広告の印象や評価できる点とその理由は?

⇒金利の表示の変化について、印象は?

◆新聞広告の改善した方が良いと思う点とその理由は?

⇒モデル、キャラクター(コクサイ先生)、デザイン、情報内容 など

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4.個人向け国債のWEB

サイトについて

(25 分/95 分)

1)個人向け国債の WEB サイト、WEB 動画 認知及び印象

◆個人向け国債の WEB サイト及び WEB 動画の認知の有無を確認

⇒認知有り:いつ、どのようなシーンで見たか?どのような印象を持

ったか?

⇒認知なし:見ない理由は?

◆個人向け国債購入者/検討者は WEB サイト及び WEB 動画の認

知はあったか

⇒これらが話題に上ったことはあるか、どのようなことか、

プラスに働いた/マイナスに働いた?

⇒わかり易さ/わかりづらさは?

◆タブレット端末が支給されている場合、WEB サイトや WEB 動画の

活用はどのようにしているのか

2)個人向け国債の WEB サイト評価

※WEB サイトを提示

◆どのような印象か?

◆どのように活用しているか/活用していないのか

◆良いと思うポイント、改善した方が良いと思うポイントとその理由

は?

※評価ポイントは別紙参照

3)個人向け国債の WEB 動画評価

※WEB 動画を提示

◆どのような印象か?

◆どのように活用しているか/活用していないのか

◆良いと思う、改善した方が良いと思うポイントとその理由は?

4) コクサイ先生について

※コクサイ先生呈示、認知を確認

◆キャラクター、ネーミングの印象は?

◆どのように活用しているか/活用していないのか

⇒Twitter でフォローしている?

◆コクサイ先生への要望は?

5) 各ツールの連携について

※ツールを全て呈示

◆各ツールの活用について、連携は取れているのか

⇒ポスターからパンフレット、ポスターから新聞へ など

⇒どのように連携する/しないことが効果的か

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フロー スクリプト

5.個人向け国債の今後

について

(20 分/115 分)

1)若年層への訴求の有効策を探る

◆若年層の購入者について、どのような印象があるか?

⇒若年層の割合が低いと感じる場合、何故だと思うか?

⇒若年層が魅力を感じる金融商品は何か?

⇒その金融商品の魅力は、どんな要素がささるのか?

⇒それらの金融商品と共に検討してもらうようにするには、どのよう

なことが有効だと思うか?

⇒販促ツールについてはどうか

2)個人向け国債の現状の課題について

◆個人向け国債の現在の課題として、どのようなことが考えられるか

⇒職場で挙がっている課題等はあるか、どのようなことか

⇒個人的に感じている課題はあるか、どのようなことか

◆課題の解決策等について、職場で、個人で、どのような対策をして

いるのか

3)個人向け国債の今後について

◆今後、個人向け国債はどのようになりそうか

⇒顧客或いは購入額が増加/顧客或いは購入額が減少

/現状維持…など

⇒職場で、今後について検討はされているか

⇒個人的に、今後はどのようになりそうか

◆今後、顧客拡大のためには、誰が、どのような施策をすることが有

効と思うか、その理由は?

◆物価連動型(将来の物価に連動して元本や利子の受取額が増減)

の国債を発行した場合、ニーズは期待できそうか?

6.クロージング

(5 分/120 分)

1) 追加質問

※聞き忘れ、言い忘れがないかチェック

※あれば、追加質問

※対象者へお礼を告げて謝礼を渡す

終了

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提示物

<ポスター> <新聞広告>

<パンフレット>

<WEB動画>

<ホームページ>

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Ⅱ.対象者プロフィール

■グループ① 男性

年齢 勤務先と勤続年数 担当業務

① 27 歳 銀行(4 年) 資産運用担当職

② 47 歳 銀行(23 年) 行内職

③ 53 歳 証券会社(8 年) 個人向け窓口業務

④ 28 歳 ゆうちょ銀行(8 年) 行内職

⑤ 50 歳 銀行(2 年) 資産運用担当職

■グループ② 女性

年齢 勤務先と勤続年数 担当業務

⑥ 24 歳 銀行(2 年) 個人向け窓口

⑦ 32 歳 銀行(10 年) 行内職

⑧ 46 歳 銀行(10 年) 窓口以外の顧客対応職

⑨ 29 歳 銀行(7 年) 個人向け窓口業務

⑩ 31 歳 銀行(12 年) 個人向け窓口業務

■グループ③ 男性

年齢 勤務先と勤続年数 担当業務

⑪ 39 歳 銀行(15 年) 外勤営業

⑫ 48 歳 協同組織金融機関(26 年) 外勤営業

⑬ 37 歳 証券会社(5 年) 外勤営業

⑭ 32 歳 証券会社(5 年) 外勤営業

⑮ 50 歳 証券会社(24 年) 外勤営業

■グループ④ 女性

年齢 勤務先と勤続年数 担当業務

⑯ 27 歳 銀行(6 年) 個人向け窓口業務

⑰ 38 歳 証券会社(16 年) 個人向け窓口業務

⑱ 42 歳 証券会社(16 年) 窓口以外の顧客対応職

⑲ 43 歳 銀行(6 年) 窓口以外の顧客対応職

⑳ 44 歳 ゆうちょ銀行(21 年) 個人向け窓口業務

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Ⅲ.調査結果

1.『個人向け国債』に対する販売担当者の意識

(1) 『個人向け国債』の販売に対する担当者のスタンス

■他の金融商品に比べ『個人向け国債』販売のプライオリティは低い。

『個人向け国債』は、営業効率の悪さなどから、他の金融商品を勧めても顧客

が興味・関心を示さないときにはじめて勧めるなど、販売意欲のプライオリティ

が低い商品となっている。

プライオリティが低い主な要因としては以下があげられている。

手数料が低く収益率が悪い。書類作成などの事務負担が大きい。

販売機会が少なく事務手続きなどに慣れていない人もいる。

リスクについてなど商品説明に時間がかかり過ぎる。

収益率と販売にかかる時間・手間を考えると営業効率が悪い。

『個人向け国債』の販売が社内評価の対象になっていないことが多い。

他の金融商品と違い販売目標(ノルマ)が設定されていない場合もある。

銀行では保険の販売に注力している。

証券会社では特に現在の投資環境が悪くないため株式や投資信託の販

売に注力している。

【発言要旨抜粋】

定期預金の満期がくると、銀行にとって収益の一番良いどうしても手数料の高い方を優先

して、投信、保険、外貨、 後に国債という順でお客様に勧めるようになっている。(銀

行外勤)

どこも今は保険に力を入れているので、営業における個人向け国債の位置付けはすごく低

い。保険を取り扱うようになってから変わった。(銀行窓口)

うちでは、投信を重点的に勧めなさいと言われているので、国債は積極的には勧めていな

い。(銀行窓口)

年配の方に販売する場合は、後で聞いていないと家族の方が後で乗り込んで来たりするこ

ともあるので注意しているが、ちゃんと説明すると1時間ぐらいかかってしまう。(銀行

内勤)

うちは帳票類とかもけっこうもらう書類が多くて、それに輪を掛けてコンプライアンス的

な注意事項の説明が多い。その割には、還元の収益、手数料が少ないということで営業マ

ンには敬遠される。(銀行外勤)

国債の取り扱いはあまりないので、手続きを忘れてしまう。(銀行内勤)

国債は手数料が低いし、その割に事務負担が多いので、顧客を獲得してもあまり嬉しくな

い。(銀行窓口)。

銀行の収益ベースで考えると、どうしても手数料の高い方を優先して、投信、保険、外貨、

後に国債という順でお客様に勧めるようになっている。(銀行外勤)

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自分の目標の評価があって、『個人向け国債』は評価のポイントも低いからメリットがな

い。(銀行内勤)

目標額は設置されていて、国債の占める割合は20%。金額で設定されていて件数ではな

い。(銀行窓口)

うちの銀行は『個人向け国債』のノルマがないので、販売すると「どうして国債なんかを

売ったのか」と言われる。(銀行窓口)

国債はサラッとテキストに沿って触れるぐらいで保険ばかり勉強させられている。(銀行

窓口)

他の金融商品の投資環境がそれなりに良いので、『個人向け国債』の販売額は減っている。

(証券外勤)

社債は国債よりも利率が高いし、多少リスクはあるが手数料も高いので、社債を勧めてい

る。(銀行窓口)

■『個人向け国債』販売に積極的な場面も見られる。

プライオリティが低い『個人向け国債』ではあるが、安全性や信用力、手軽さ

などからなくては困る商品とも考えられている。

また、募集開始時や、3ヶ月に 1度など定期的に実施しているキャンペーン時(キ

ャッシュバック等)などには、積極的に『個人向け国債』を販売しているとの声

も聞かれた。

【発言要旨抜粋】

国債は手数料が低いが、信用力があって、馴染みもあり、新規のお客様でも買いやすい商

品なので、ラインナップとして無いと困る。(銀行内勤)

はじめる人は 初の入り口としては国の債券で、しかも銀行で売っているというので入り

やすい。今は全然数字的な目標はない。(銀行内勤)

お客様から国債の言葉が出たら、ドアノックツールとして「国債に興味がありますか?」

と突っ込む。(銀行内勤)

3ヶ月に1回キャンペーンがあるので、その時には力を入れている。(証券窓口)

(2) 販売担当者が感じている『個人向け国債』のメリット

■金融商品ビギナーの導入商品に適している。

金融商品ビギナーや初めて取引する顧客などの導入商品、口座開設のための商

品として『個人向け国債』は適していると考えられている。

1 万円から購入できることも身近な金融商品との印象を与えており、金融商品ビ

ギナーにとっては取っ付きやすい商品となっている。

また、売る側の立場においても新入社員が販売するのに適しており、新入社員

にとっての主力商品として位置付けている金融機関も見られた。

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【発言要旨抜粋】

1万円単位から買えるので、セールストークで「1万円からできるので」と勧めることで

初の取っ掛かりになる。実際 1 万円では買わないが、1 万円からできることは買いやす

さに繋がっている(銀行内勤)。

新入社員の営業で、『個人向け国債』は口座開設を勧める際の主力商品に使っている。(証

券外勤)

自分の持っているものが通帳に載っているのが良いという人は、保険や投信は通帳に載ら

ないので、国債を選好される。(銀行窓口)

■安全性重視の顧客との長期的関係が維持できる商品。

安全性が高く信用力もあり、定期預金よりは金利が有利でもあるため、『個人向

け国債』はリスクを嫌う顧客の固定客が多い。そうしたリスクを嫌う安全性重視

の顧客との長期的関係が構築・維持できる商品というメリットが感じられている。

【発言要旨抜粋】

国債をまず買ってもらうことで、他のも買ってくれる可能性が高かったり、ご紹介もある

かもしれないので、長いつきあいをするにはいいのかなと思ったりする。(銀行内勤)

安全型とかのお客様とかは、国債で長く取引されている方が多いので、『個人向け国債』

が無いと、そういったお客様がいなくなったり、客層が変わってしまうので困る。(証券

窓口)

(3) 「毎月発行」「中途換金」に対する評価

■「毎月発行」に対しては賛否両論。

「毎月発行」に対しては、いつでも売れるので売りやすくなったとの評価がある

一方で、いつでも売れるものだと販売にメリハリがなくなる、毎月ノルマが課せら

れるイメージを持つなど、ネガティブな評価も聞かれた。

いずれにしても、販売額の増減にはほとんど影響していないというのが大方の

意見であった。

【発言要旨抜粋】

毎月あるので、通年で販売できるので売りやすい。(銀行内勤)

せっかく来られても「今月は違うんです」と言うと残念ながら帰る方もいたので、そうい

う方にとっては手が出しやすくなったと思う。(銀行窓口)

国債を買われている方から「毎月買えるんだ」とか「便利になった」とか問い合わせがあ

ったみたいで、お客様からするといつでも買えるからお求めやすくなった。(証券内勤)

3 ヶ月だと特別感みたいなのがあったが、毎月だといつでもいいやとなるので、むしろ3

ヶ月に1回のほうが良かった。(銀行内勤)

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年 4 回でも多いと思う。年 1 回で個人向け国債は 1 回しか買えないとなったら、今しか

買えないということで買いたい人がクローズアップされるのではないか。(銀行外勤)

毎月ノルマを課せられるという感じで、やらなきゃいけないことが増える。(証券窓口)

お客様は毎月買ってくれる訳ではないので、販売額はならしてみたら結局は同じで、手間

だけが増えたイメージ。(証券内勤)

■「中途換金」については換金日の明示を要望。

「中途換金」をする顧客は、入院など使途が明確になっている場合が多いため、

換金日がはっきりしていることが重要。換金日がきちんと伝わっていない場合は

トラブルやクレームの基になるため、4 営業日目に換金できることを今よりもっと

大きく明示するべきとの声が聞かれた。

また、定期預金からのシフトを促すには、もっと中途喚起できることをアピー

ルしてはどうかとの声が聞かれた。

【発言要旨抜粋】

中途換金をする人は入院とか明確な目的を持ってすぐにおろしたいというお客さんなの

で、4 営業日目にもらえるということをはっきり言わないともめる。(銀行内勤)

キャンペーンを利用する方は中途換金をされるケースが結構多い。銀行ではキャンペーン

をやっていないけど、何年かすれば解約できるならいいねと購入される方はいる。(銀行

窓口)

相続で名義変更をされた方は、中途換金するか、満期になった際に口座解約される方が多

い。(銀行窓口)

定期預金からのシフトを促すには、中途換金できることをもっとアピールすればいい。(銀

行内勤)

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2.『個人向け国債』に対する販売担当者の意識

(1) 『個人向け国債』の購入者特性

■年代は高齢者層、性別は女性が比較的多い。

『個人向け国債』の主要顧客属性については、年代では一部で 30 代という声も

聞かれたが、退職金や年金受給のある 60 代以上の高齢者層をあげる人が多い。

性別では各年代とも女性が多いとの声が多く、 近女性が増えているとの指摘も

あった。また、性別・年代とは別に、富裕層との声も聞かれた。

【発言要旨抜粋】

基本的に高齢の方が多い。(銀行内勤)

40代以上の主婦層が多い。(銀行窓口)

金額ベースで言うと、たぶん女性が多い。年齢も、それなりに高めの方。女性がお財布を

握っているのもあると思う。(証券外勤)

うちも女性が多い。奥様が銀行の預金とか定期預金を握っていることが多く、奥様方の間

で、結構「個人向け国債が良い」という話があるということは聞く。年代で言うと40代、

50代の人。国債を買われる人は安定資産に寄っている傾向のある人なので、他の商品の

話をそもそも聞いてくれないとか、勧めにくいというのはある。(証券外勤)

購入される方は中高年の女性が多く、お客様から購入したいと言われることはそんなには

なく、こちらから勧めて購入することが多い。勧めるときは、安全というところが一番な

ので、そこを押す。(銀行外勤)

若い方だと30代の方で、特に男性の方の申込みが多いと思う。本店なので、大企業を定

年されてうちに口座を持っている方もたくさんいるので、定年後から80代の富裕層の方

もいる。国債を買われる方は、リピートされる方が多い。年齢が高くても10年を買われ

る方とか、今まで10年だった方でも年だし相続したいので5年でという方もいる。3年

ではなく、利率が高い5年、10年ものを買われる方が多い。(証券窓口)

殆どが年金をもらわれている人やサラリーマンでリタイヤされている人。男女比は、今は

どちらかというと女性のほうが多い。(銀行内勤)

年齢層は20代、30代(男性)の方や定年退職された60代、70代で満期になった方

といろいろである。(証券窓口)

富裕層が多い。(銀行窓口、内勤)

銀行によって違うと思うが、うちの窓口に来るのは30代~40代ぐらいの人が多いと思

う。(銀行内勤)

珍しく20代の独身女性で100万持ってこられて、貯金ではなく、個人向け国債を買わ

れた方もいた。(銀行窓口)

■安全性重視の顧客が中心。

商品特性から、株式や投資信託などリスク商品を好まない安全性重視の顧客が多

い。そのため、絶対倒産しないと思われているような企業の債券購入者とかぶると

の声も聞かれた。

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【発言要旨抜粋】

国が発行する債券ということで信頼があるので、ご年配の方が、保険、投資信託よりも国

債を指定される。(銀行内勤)

富裕層で堅い商品しかされないお客様がいて、いろんな商品を紹介してもいつも行き着く

ところは国債で、安全なところに惹かれているのだと思う。(証券窓口)

安定志向の方、ほとんどリスクを取りたくない方が購入している。(銀行窓口)

1 千万円越えの方で、近所の金融機関に預けたくないという方で国債を買われる方がい

る。(銀行窓口)

電鉄だとか絶対潰れなさそうな社債を買うという人と国債を買う人はだぶっている。(証

券窓口)

投資信託をしたことが無い人や、リスクを嫌う人は、国債なら安心で、定期預金よりも金

利がましだからということで選ぶ人が多い。(銀行窓口)

自分の持っているものが通帳に載っているのが良いという人は、保険や投信は通帳に載ら

ないので、国債を買われる。(銀行窓口)

(2) 『個人向け国債』購入者の行動特性

■他商品と違い指名買い来店客が比較的多い。

他の金融商品に比べ、新聞広告などで事前に得た情報を基に、来店して指名買

いをする顧客が多いというのも『個人向け国債』購入者の特性である。

【発言要旨抜粋】

新聞広告やチラシを見て、「『個人向け国債』を買いたい」と来店される方がいる。(証券

窓口)

証券会社に来る人は自分で購入したい商品を決めてくるので、こちらが国債以外の商品を

勧めても覆ることはまずない。(証券窓口)

近、証券会社で1,000万円の購入で5万円のキャッシュバックキャンペーンがある

ので。5万もらうだけでOKといって購入されるお客様がいる。(証券窓口)

購入金額に応じて現金がもらえるキャンペーンがあって、キャッシュバックの方が利率よ

り大きいので 1 年で中途換金して、いろんな証券会社を1年ごとに渡り歩いて、何年か振

りに当社に戻ってきたなという人がいる。(証券外勤)

■固定客が多い。

安全性志向が強いため、ローリスク商品の代名詞ともいえる『個人向け国債』

には、それだけをリピート購入するような固定客が多い。そのため、全体的には

『個人向け国債』のお客が減少しているとはいうものの、購入者がいなくなるこ

とはないとの見方がされている。

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【発言要旨抜粋】

殆どが既に国債を持っている人で、相手にしていたお客さんはみんな基本的に持ってい

て、満期がきたらリピートする感じ。(銀行内勤)

国債が満期になったお客様のところに訪問することがあるが、リスク商品はこわいのでと

いうことでもう一回国債ということで購入される。(銀行外勤)

ほとんど国債を持っている人、自分が相手にしていたお客さんは殆どが国債を持ってい

て、満期がきたらリピートする感じ。(銀行内勤)

50代、60代の人で『個人向け国債』しか買わないと言って、テコでも個人向け国債し

か買わない方がいる。(証券窓口)

富裕層の方で、いろんな商品を紹介するが、行き着くところは『個人向け国債』で、それ

ばかり買う人もいる。その人はリピートしている。満期で次の商品にと思うが、やはり、

また国債を購入される。(証券窓口)

■定期預金との比較検討。

安全性という商品特性から定期預金に近い存在と考えられている。そのため、

定期預金と比較検討をし、金利が有利といった理由で『個人向け国債』に切り替

えるという人が多い。

【発言要旨抜粋】

定期預金より期間は長いが若干金利が高いので、 終的にはリスクが少ない国債なら大丈

夫だろう、長いけどまあいいやということで国債になるケースが多い。(銀行内勤)

国債なら国は潰れないだろうと、定期預金より金利がましだからといって選ぶ方が多い。

(銀行窓口)

定期よりは安全だし、ちょっとは金利が高いので、定期の更新と同じような感覚で、国債

を続けているという方が多い。(銀行内勤)

銀行の定期ならこれぐらいしか金利が付かないから、それなら証券会社で国債を買うほう

がいいよねと購入される方がいる。(証券窓口)

■その他。

国債よりも利回りが高い『地方債』や『金銭信託』に乗り換える人が多くなっ

ている一方で、インフレヘッジ目的で、変動金利の『個人向け国債』を購入して

いる人たちが増えているとの声が聞かれた。

【発言要旨抜粋】

金利の高い東京都区債や金銭信託に乗り換える人が多くなっており、国債を購入する割合

は減っている。(銀行窓口)

まだ少数ではあるが、インフレヘッジ目的で、リスクリターンを考えて変動金利の個人向

け国債を購入する人たちが増え始めている。(証券外勤)

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(3) 『個人向け国債』の現状の課題

■販売時の手続き簡素化、手数料の見直し、認知度向上の必要性。

預金に比べ、国債の購入時に手間がかかることが販売側・購入側の双方のネッ

クになっているとの指摘や、手数料が低いので販売側のモチベーションが低いと

の指摘があった。

また、全ての年齢層において『個人向け国債』の認知度が低く、現在投資して

いる年配の富裕層がだんだん減っていくこと踏まえると、安全性や定期預金より

も金利が高いことをもっとアピールすればいいのではないかとの意見も聞かれた。

【発言要旨抜粋】

10 年前に国債を購入したお客様が、再度購入しようとした際に、金商法に基づき書類の

記載をお願いすると、「昔はこんな書類は書かなかった」と言われることが多い。高齢者

は手間を嫌うので、それはネックだと思う。(銀行内勤)

手間が掛かって利幅が薄いので、入り口から 後までネットで完結してほしい。ネットで

申し込んだら利回りが高いとか、インセンティブを与えたら普段インターネットをしない

高齢者も来店しなくなってネットで申込みするようになると思う。(銀行内勤)

手数料が低くてメリットが少ないので、金融機関はあえて国債を勧めない。そこがどうに

かなれば、じゃあ売ろうとなる。(銀行内勤)

単純に手数料が低い。それが、モチベーションが低い理由。(証券外勤)

全ての年齢層において、認知度が低い。(銀行窓口)

今年の夏休み中に幼稚園のお母さんを対象にセミナーをしたところ、結構好評で、アンケ

ートを取ったところ、興味があるのは定期預金が一番で、国債はほとんどなかった。我々

も手数料が少ないのでアピールができていないと思う。幼稚園のママ友の繋がりで、安全

性と定期預金より金利が高いということをもっとアピールすればいいと思う。(銀行内勤)

今持っているお客さんが満期を迎えて、自分の年齢を考えて定期預金にするケースもあ

り、国債をやらなくなるケースも結構出てきている。新しく買う人も少ないので、販売額

自体はどんどん減っていくイメージがある。(銀行内勤)

シルバー層については、国債は絶対安心というイメージがあるので、放っておいても現状

維持だと思う。若い子向けには、保険商品、投資信託よりは魅力は薄いと考えている。(銀

行内勤)

金利が低くなってしまったので、再び国債にしようという人は少なくなっており、だいた

い保険になっている。(銀行窓口)

金利の高い東京都区債や金銭信託に乗り換える人が多くなっており、国債を購入する割合

は減っている。(銀行窓口)

投資している人は年配の富裕層だと思うが、この人たちはだんだん減っていって増えるこ

とはないと思うので、若い人の投資意欲を上げることが大事だと思う。(銀行窓口)

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3.各種ツールの評価

(1) ツール類の活用実態

■全体的に財務省提供のツール類はあまり活用されていない。

他の金融商品と比較して『個人向け国債』の販売に消極的なため、財務省が提供

するツール類はあまり活用されていない。顧客に『個人向け国債』を案内したり

説明したりする場合は、自社・自行で独自に作成しているチラシ等を活用するこ

とが多い。

【発言要旨抜粋】

募集の期間は必ずポスターを貼っていた。(銀行内勤)

銀行にポスターがあるので、ポスターを見て「あれ、いつ出るの?」と言われることがあ

る。(銀行内勤)

ポスターは自社で作って支店に送られて来たものと、財務省が作成したものを貼ってい

る。(証券会社窓口)

掲示しているポスターは「ご購入は○○銀行で」という誘導的なものを貼っていて、特定

の商品に対するものは貼るスペースがないので貼っていないと思う。(銀行窓口)

銀行では国債の取り扱いはあるが、国債のポスターは一切貼っていない。(銀行窓口)

国債用のパンフレット(銀行オリジナルではない)があるので、それで金利等をご紹介す

る。(銀行内勤)

銘柄別に金利が載っているもので自分の銀行で作っているチラシで説明している。(銀行

窓口)

説明時には、チラシしか使っていない。(銀行窓口)

外回りの際には、チラシは一応カバンの中に入れてある。(銀行外勤)

新聞広告やチラシを見て、国債を買いたいと言ってくる顧客がいる。(証券窓口)

新聞広告、日経とかで出ていたけどどうなの?定期預金より金利が高いみたいだけど買っ

たほうがいい?みたいに言ってくる。(銀行内勤)

窓口に置いてあるチラシを見て興味をしめされる方もいる。(銀行窓口)

お客様が興味を示している際には、パンフレットを渡して、「わからないことがあれば聞

いてください」と言う。(銀行内勤)

国債のチラシで説明している。(銀行内勤)

銀行が作っているパンフレットが多く。(銀行窓口)

(2) ポスターの評価

■ポスターの活用実態

ポスターに対しては、他にも投資信託のポスターなども多数あり貼るスペースが

ないことや、『個人向け国債』販売の販売に消極的ということもあって、ほとんど

貼られていないというのが実態である。また、『個人向け国債』の顧客は目的買い

来店客が比較的多いこともあり、店頭での告知に対する必要性も高くないと考え

ている。

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■ポスターを見ての内容評価

わかりやすい表現との評価もあったが、訴求ポイントである安全性の表現方法や

金利の表示方法などに対する要望が聞かれた。

【発言要旨抜粋】

いつもポスターの金利が小さいと思う。もう少し3つの金利を大きくした方がお客様にも

インパクトがあると思う。(銀行内勤)

商品説明用の方は、そもそも商品性を知っている人が店頭に来ているので、無くてもいい

のではないか。(銀行内勤)

商品説明用の方は、もう少し、安全というところを強調した方がいいのではないか。募集

告知用には、安全が一番上に書いてあるが、右側のポスターは下にあるので、もっと強調

してもいい。年配の方でリスクを取れないお客さんには効果があると思う。(銀行内勤)

配布された時には金利が決まっていなくて、後で金利が決まったところでシールを貼る必

要があるので、掲示しないことが多い。(銀行内勤)

「さらに買いやすい、いざという時も安心」というのは、言葉が簡単だから良いかなと思

う。(証券外勤)

他の投信のポスターなどが沢山あって、貼れるスペースが限られているので、貼っていな

い(銀行内勤)。

銀行では特定の人たちの絵を使ったものを出しているので、財務省のものは貼っていな

い。(銀行内勤)

募集告知用と商品説明用の両方が有る方がわかりやすくて良い。(銀行内勤)

ピンクで目立つなというのはある。「たいへんよくなりました」は毎月発行がよくなった

ということなのか。(銀行窓口)

イモトさんということと、見やすいことから、若い方にも見てもらえそう。あそこに利率

が入っていたら、目を惹くと思う。(銀行窓口)

商品説明用は字も大きいし、項目ごとに分かれているのでシニア層にもわかりやすい。(証

券内勤)

安全を狙う人は、国債を買う人は損したくない人なので、安全の内容のところに、元本割

れしないとあったほうがいい。(証券内勤)

(3) パンフレットの評価

■パンフレットの活用実態

財務省のパンフレットについては、活用している人としていない人とに分かれる。

活用している場合は、店頭のラック等に設置し顧客が自由に持ち帰ることができ

る、窓口で担当者が『個人向け国債』の説明の際に利用する、顧客に送る DM に同

封するなどの使い方が見られた。

一方、活用していない理由としては、それぞれの顧客ニーズに合わせて他の金融

商品も案内できる自社の総合パンフのようなツールを利用している、あるいはそ

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の時の金利が表示されている 1 枚ペラの簡単なチラシなどを利用している、そも

そも本部から送られてこない、などがあげられている。

いずれにしても、『個人向け国債』販売のプライオリティが低いということもあ

り、実際は本部から送られ店頭のどこかにあったとしても、パンフレットの存在

自体が希薄といえる。

■パンフレットを見ての全体的な評価

多少の改善要望はあげられたが、わかりやすさなどの点から全体的には高い評価

となっている。

【発言要旨抜粋】

国債は初心者の方が多く、知識が無い人でも、これならポイントが分かりやすく載ってい

る(銀行窓口)

特徴がちゃんと出ていて、詳しい商品性も説明されているので、わかりやすいと思う。(銀

行外勤)

このパンフレットに書かれてある内容をずっと口で説明していたので、これがあれば、お

客様もわかりやすいと思う。(銀行窓口)

文字がごちゃごちゃしていなくて、フォントが大きく分かりやすい(銀行窓口)

全体的にはだいぶ前に見た国債のパンフレットよりもはるかに良い。(銀行内勤)

見開きのところの変動金利と固定金利の説明のページは文字が小さい。お客さんで高齢者

が多いので、もう少し大きくした方が良い。(銀行外勤)

財務省が作成するパンフレットを活用させるには、このようなわかりやすい資料があると

いうことを売る側にまずわかってもらうことが必要。(銀行窓口)

■金利の表示について

顧客に対する『個人向け国債』の説明には、その時の具体的な金利を示す必要が

あり、パンフレットだけでは説明不足になってしまうとの声が聞かれた。

ただし、パンフレットにその時の金利を表示することは不可能であり、具体的な

金利が表示されているツールとの併用が必要となる。

【発言要旨抜粋】

今月の金利がいくらかが出ていないので、申込みの前の段階での説明には使いづらいと思

う。(銀行窓口)

■「中途換金」の説明について

「中途換金」の説明については、口頭での説明を補完するものとして評価されて

いた。

一方で、未然にトラブルを回避するような表現、より顧客がイメージしやすくな

るような具体的な金額表示などに対する要望も一部から聞かれ、中途換金はあまり

良い印象がないので、大きく取り上げなくても良いとの意見もあった。

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【発言要旨抜粋】

中途換金の説明は言葉で言うよりも図だと分かりやすくて、これは分かりやすいと思う。

(銀行内勤)

表紙に中途換金可能と大きく書いてあるけど、その下に小さく※発行後1年経過すれば可

能、と書いてあるじゃないですか。こういうのが一番、後々トラブルになる可能性がある。

買うときは、そんなことは考えていないが、中途換金をする人は入院とか明確な目的を持

って来ているので、いざ資金が必要になったときにトラブルになりそう。表現の仕方が問

題。(銀行内勤)

中途換金の場合、計算しなければわからないので、例えば100万だったらこうなります

とあったほうが、「2回分の利子×0.79685 が引かれる」と書くよりは親切。(証券窓口)

中途換金の具体例を数字で示すことについては、個々のお客様によって金額が違うので、

お客様の預け入れ金額によって窓口で説明したほうがお客様の頭に入ると思うので必要

ない。(証券内勤)

金利が変動して下限の0.05%になったときに、保有している国債を中途換金して他の

ものに乗り替えるとか、他の国債に乗り換える方が多くなるので、中途換金自体、あまり

良い印象がない。だから中途換金をこんなに大きく取り上げなくてもいい。(証券外勤)

■「固定」と「変動」の説明について

「固定」と「変動」の説明については、わかりやすいとの評価であった。

【発言要旨抜粋】

国債は固定のものしかないと思っているお客さんが多く、今後金利が上がりそうだという

ときに、変動金利型がアピールできるのでこの変動のグラフは良い。(銀行内勤)

固定と変動は意外とどうなるかが分からない人が多いが、これは絵とかがわかりやすいの

で、こういう感じになる可能性が高いですと説明できる。(銀行内勤)

固定と変動の説明がないと年齢に関係なく文句を言われるので、固定と変動が全部載って

いると説明に使いやすい。(銀行内勤)

「変動」と「固定」をグラフで表しているし、ピンクや青で色分けして説明してあってシ

ニアのお客様でもわかりやすいと思う。(証券内勤)

■毎月発行のスケジュール案内について

毎月発行のスケジュール案内については、不要との声も一部から聞かれたが、必

要と考える意見の方が多く聞かれた。

【発言要旨抜粋】

スケジュールは、募集期間が書いてあるので必要。(銀行内勤)

毎月でも、月によって1日違ったりしてくるので、やっぱりスケジュールの記載がある方

が、お買い求めになるお客様にとって日にちの確認ができて良いと思う。(証券内勤)

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今後の発行スケジュールは、毎月出ることがわかっているので必要がない。それよりは、

もっと中途換金のしくみを詳しく載せた方がいい。(銀行内勤)

■その他要望等

以上の他に、『個人向け国債』と比較検討されやすい定期預金との比較や、紙質

などへの要望が聞かれた。

【発言要旨抜粋】

定期預金と比較することが常なので、定期預金との比較のグラフがあってもいいと思う。

(証券外勤)

外勤で営業マンが外を回るときに、雨の日もあるので、もうちょっと厚い紙にした方がい

い。(証券外勤)

近、相続の相談もよくあるので、パンフレットの表紙の安全、手軽、選べるところに相

続もあると良い。(銀行内勤)

DM用に、同じ内容で、サイズは封筒に入れられる半分くらいのものがあったらいい。(証

券内勤)

ろう者の方などにはよく説明するように言われているので、音声読上げコードは良い。パ

ンフレットの色がピンクで、ポップな感じがすごくするので主婦向き。中身も色を結構使

っていて見やすい。(銀行内勤)

「たいへんよくなりました」という判は1つでいい。若しくは邪魔なのでなくてもいい。

(銀行窓口)

毎月発行を2頁目の上の方で大きくアピールしており、下の方でも、いつ購入できますか

という記述があるが、毎月発行はそもそも発行する側の都合であるし、自分の言いたいこ

とだけを言っているような気がする。(証券外勤)

(4) 新聞広告の評価

■新聞広告の認知状況

広告を見ての顧客からの反応もあり、新聞広告については比較的認知されていた。

また、外勤の際に新聞広告のコピーを持ち歩きたいといったニーズも見られた。

【発言要旨抜粋】

お客様からも、新聞で見ている方からは、「今日から発売ですよね」と問い合わせが入る

こともある。(証券内勤)

新聞広告、日経とかで出ていたけどどうなの? 定期預金より金利が高いみたいだけど買

ったほうがいい? みたいに言ってくる顧客がいる。(銀行内勤)

この新聞広告は、金利や募集期間が一枚でわかるので、自分の営業用として使いたい。(銀

行内勤)

金額1万円からというのを入れたほうがいい。(銀行窓口)

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国の文字をあしらったキャラクターがいるので、国債の文字は普通の書体の方が良いので

はないか。(銀行窓口)

はじめて買おうとする人に対しては、パンフレットに比べて、新聞広告はやさしさがない。

購入経験者の方への告知的な感じで、初心者への誘導にはならない。(証券外勤)

■情報量について

詳しい商品内容に関する情報提供ではなく、募集開始や金利などの告知を目的と

する新聞広告の情報量としては適当と考えられている。

【発言要旨抜粋】

既に国債のことを知っている人に訴求するのであれば、この程度の内容で良いと思う。(銀

行窓口)

パッとしないが、情報としては足りている。(銀行外勤)

■金利表示について

文字の大きさなど見せ方については評価されているが、金利変化の具体的な数字

の表示や、金利の具体的な金額表示があることで、より興味・関心が高まるのでは

との声も聞かれた。

【発言要旨抜粋】

これぐらい金利が大きく書いてあるとインパクトがある。(銀行内勤)

年に1回金利変化が楽しいとは書いてあるが、具体的に数字で示せたほうがいい。(銀行

内勤)

金利だけよりも、100万円だったらこれだけになるという例があった方が、買う人も1

00万でいくらの利息なのかわかるので良いのではないか。(証券窓口)

(5) WEB サイトの評価

■WEB サイトの活用実態

財務省の『個人向け国債』の WEB サイトの閲覧経験を持つ人は少なく、閲覧経

験を持つ人もたまたま見たという場合が多い。

また、タブレットの利用もまだそれ程進んではおらず、タブの大きさについても

あまり関心が持たれていない。

【発言要旨抜粋】

たまたま調べることがあって見に行ったが、国債のサイトを見に行ったわけではない。(銀

行内勤)

財務省と金融庁の情報を見るために、たまに閲覧する程度。(銀行内勤)

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■WEB サイトを見ての評価

トップページの見やすさや身近な印象とは違い、その下の階層ページについては

見づらいとの声が聞かれた。

内容については、「Q&A」や「中途換金と購入シミュレーション」などの評価が

高かった。

新規、中途換金、償還の顧客ニーズの 3つのセグメントのわかりやすい表現など

トップページの内容や、金利表示方法などの要望の他、サイトの内容よりもサイト

への誘導とその導線の方が重要では、といった意見も見られた。

【発言要旨抜粋】

お客さんのニーズは新規、中途換金、償還の3つくらいだと思うので、タブとしてはその

3つが揃っていたほうが入りやすい。(銀行内勤)

トップページの金利は税引き前しか載っていないが、税引き後もあった方が分かりやす

い。(銀行窓口)

わたしは、税引き前だけでもいいと思う。HP に入るときは、利率がちょっと高いほうが、

見たときに、あっ!と興味を持ってもらえるし、あまりごちゃごちゃ書いていると見づら

い。(銀行内勤)

「Q&A」はお客様から直接聞かれそうなようなことが書いてあるので良い。取扱金融機

関がどこかもよく見られるところだが、調べやすくて良い(銀行内勤)

思っていたよりはやわらかい感じで見やすいなという感じだけど、財務省のHPに入る人

がそもそもいるかという感じ。ここにたどり着くかというところが問題。(銀行窓口)

金利をもう少し大きくしたほうがいい。「今月の国債はこちら」という部分はそこまで大

きくなくてもいい。(証券外勤)

どこで買えるのかが、一番上に持って来て欲しい。(証券外勤)

“よくある「Q&A」”はすごくわかりやすくていいと思う。質問を1つずつ開けたら答え

が出てきて、まったく知識がない人にも良いと思う。(銀行窓口)

文字がいっぱい書いていないのでわかりやすい。(証券内勤)

財務省のHPは誰が見てもいいものだから、中途換金のシミュレーションが完成したら期

待は高い。(証券窓口)

■WEB 動画の評価

『個人向け国債』初心者にもわかりやすい内容との評価とともに、幅広い世代に

関心が持たれるよう登場人物の工夫に対する意見が見られた。

【発言要旨抜粋】

初心者の何もわからない人がわかる内容で良い。(銀行窓口)

コクサイ先生が歌う部分は良い。BGM が耳に残るし、ピンクの服装も可愛い。(銀行内勤)

登場する奥さん一人だけでなくて、旦那さんや子供も一緒にいたら、世代に広がりが出て

良いかもしれない。(銀行窓口)

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テレビCMでやれば、国債の知名度が上がるような気がする。これは短いし、音楽も良く

て、親しみやすい。(銀行窓口)

(6) 「コクサイ先生」について

■キャラクターグッズへの期待

小さな子供や孫のいる顧客に対しては、「コクサイ先生」グッズがあれば効果的

と考えられている。

【発言要旨抜粋】

お子さんがいるところだと、「コクサイ先生」を使って話を持って行きやすい。(銀行内勤)

取扱金融機関の私たちですら知らない。CM などもっと前面に押し出して、国債と言えば

このキャラクターというのをアピールしていけば人気がでるかもしれない。(銀行内勤)

まず、子どもたちの心をつかんで、「あっ!コクサイ先生!」となれば人気がでるかもし

れないが。(銀行窓口)

小さいサイズのものがあれば、年配の方で孫にあげたいという人がいるかもしれない。(銀

行内勤)

■ネーミングについて

深刻な問題点とはいえないが、「コクサイ先生」というネーミングに対してネガ

ティブに評価する声も聞かれた。

【発言要旨抜粋】

コクサイ先生のネーミングは覚えやすい。(銀行窓口)

コクサイ先生のネーミングは教えてやるみたいなところが見えるので、コクサイくんとか

もっと僕を知ってよという立場にした方がいいと思う。(銀行外勤)

キャラクターがちょっと堅い感じがするので、コクサイという名前を変えて、“○○ちゃ

ん”“○○くん”みたいに親しみやすくしたほうがいい。(証券内勤)

ポスターが貼ってあったので知っていたが、名前は知らなかった。(銀行窓口)

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4.『個人向け国債』拡販に向けた課題

(1) 若年層の取り込みにおける問題点と可能性

■若年層はまとまったお金がなく、来店する時間もない。

社会人になってそれほど年月が経過していない若年層は、まだ資金を運用する

ほどまとまったお金を持っていないというのが実態である。

また、平日の勤務時間中に銀行や証券会社の窓口などに行く暇がないという問

題もある。もちろん、勤務場所から近いところに金融機関あれば、昼休みを利用

して窓口に行くこともできなくないが、そこで『個人向け国債』の説明を受けた

り、購入の手続きをするような時間は取れないというのが現実といえる。

若年層の中には、既にネットで運用している人もいるが、そうした人は金融商

品のビギナーは卒業しており『個人向け国債』の顧客にはなりづらい傾向にある。

また、そのような若年層は、マネーゲーム感覚がどこかにあり、『個人向け国債』

の顧客として根付くとこも少ないと思われる。

【発言要旨抜粋】

若年層の人たちは、そもそもまとまったお金を持っていない。毎月1万円の天引きならで

きるが、まとまったお金がないので、個人向け国債を購入する対象じゃないと向こうもこ

ちらも思っている。(銀行内勤)

若い人は仕事をされているので、そもそも会うことが難しい。(銀行内勤)

若年層が店頭に 1 回足を運ぶというのはけっこうハードルが高い。それに説明すると昼休

みが終わってしまうので、なかなか現実的に難しい。(銀行内勤)

今の若い子は、いかにコストをかけずに情報を得るかに長けていて、動画にしても有料サ

イトではなくて無料で、音楽も無料でダウンロードするのが一般的になっている中で、た

だでさえ低い利率なのに中途換金で手数料を取られるというのは、若い人には致命的でな

いか。(証券外勤)

若年層で多いのは、マネーゲーム的に参加できるFXとか外貨預金。(証券外勤)

■5 年債や 10 年債は期間が長い。

若い人にとって、運用期間が 5 年や 10 年は長く、3 年程度であればニーズが期

待できるかもしれない。

【発言要旨抜粋】

若い方に、5年、10 年は長すぎる。それですごくメリットがあれば良いが、メリットはな

いし。(証券窓口)

若い人に変動 10 年はちょっと長い。変動 3年ぐらいなら若い人も食いつくかもしれない。

(証券外勤)

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■積立などへの関心が高い。

まだまとまったお金を持っていない若年層は、運用するというよりもお金を蓄

えていくことを重視しており、財形や保険の積立の方に関心が高い。

【発言要旨抜粋】

NISA で、積み立てで投信をされる方が 近多いが、国債は積立ててするものがなく、ま

とまったお金が必要になるのでそこが難しい。(銀行内勤)

月々1万円ずつ積立てられるような簡単にできる商品があれば、若い方には伸びると思

う。(銀行内勤)

年収によっては 20 歳代後半の人でも、投資信託を毎月1万円ずつ積み立てる人や、定期

でまとめて何十万円も預けに来る人もいるので、アプローチ次第で可能性はあると思う。

(銀行窓口)

定期預金に置いている方が多いと思うので。まだまだ先のことでしょうという感じ。(銀

行内勤)

「手軽」に1万円から購入できるので、若い方にも手軽に始められるとアピールできるの

ではないか。(銀行内勤)

■国債に対して負のイメージが持たれている。

現在の借金が将来の自分たちに重くのしかかってくるというような意識があり、

国債そのもの対して特に若年層では負のイメージが強い。

【発言要旨抜粋】

若い世代は、国債=国の借金というイメージがあるから借金を背負わされるというイメー

ジがある。(銀行内勤)

■若年層への訴求方法について。

若年層顧客の獲得については、若年層向け特集などを組むことのある雑誌媒体

などへの広告出稿、インターネットのポータルサイトへの広告出稿などの必要性

を唱える人も散見された。また、幼稚園児くらいの子供を持つ母親層に好感触を

得ている人や、その層に対してアプローチしていく必要性を感じている人が見ら

れた。

【発言要旨抜粋】

若い富裕層は、新聞はネットで閲覧していれるが、雑誌を見ている人は多い。若い方の雑

誌、Mart とかに、記事みたいな感じで広告を出したらいいのではないか。(証券内勤)

日経マネー系の雑誌に、若い人向けの商品も中にあったりするので、そういうところにコ

クサイ先生が載っていたりとか、特集ページに2ページ見開きで国債のページがあったり

だとかすれば、若い人も来るかなと思う。(銀行窓口)

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もっと若い人に小口で買ってもらいたいのであれば、Yahoo!のポータルに出すなどして広

げないといけない。(証券外勤)

日本の国民や企業が国債を買っていることで今成り立っていると思うので、そういうとこ

ろで国に協力するではないけど、そういうことを若い人に訴えていけばいいと思う。(銀

行内勤)

当行でも次のターゲット層で若い人をとなっているが、今回、夏休み中に幼稚園のお母さ

んを対象にセミナーをしたがけっこう好評だった。幼稚園のママ友の繋がりで、安全性と

定期預金より金利が高いということをもっとアピールすればいいと思う。(銀行内勤)

(2) 『個人向け国債』の今後について

■「物価連動型」について

インフレのリスクを考えているような特定の顧客には魅力があるかもしれない

が、『個人向け国債』の販売拡大にはそれ程効果はないと考えている。

【発言要旨抜粋】

物価連動型が出たとしても変動金利のものと変わりないと思う。(銀行内勤)

将来金利が上がるのではないかというので変動 10 年を買っている人がいたので、そんな

に変わらないと思う。(銀行窓口)

本当に理解してくれる方なら響くが、お客様にインフレの説明をしても全然響かない。(銀

行内勤)

一応インフレのリスクをちゃんと考えているような中年層にはニーズがありそう。(証券

外勤)

今後は一定のニーズはあると思う。(証券外勤)

■満期償還資金の使途について

満期償還を迎え『個人向け国債』をリピートする顧客もいるが、金利の低下に

より他の金融商品に移行していく顧客もそれなりにいるため、全体的に『個人向

け国債』の顧客が減少しているとの印象が持たれている。

【発言要旨抜粋】

今持っているお客さんが満期を迎えて、自分の年齢を考えて定期預金にするケースもあ

り、国債をやらなくなるケースも結構出てきている。新しく買う人も少ないので、販売額

自体はどんどん減っていくイメージがある。(銀行内勤)

『個人向け国債』の利率が下がっているからというので他の商品を勧めやすいこともあ

り、保険、投信、外債など違う商品に移っている。(銀行内勤)

金利が低くなってしまったので、再び国債にしようという人は少なくなっており、だいた

い保険になっている。(銀行窓口)

金利の高い東京都区債や金銭信託に乗り換える人が多くなっており、国債を購入する割合

は減っている。(銀行窓口)

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■『個人向け国債』拡販のための有効策について

NISA への組み込み、給与天引きも含めて毎月少額の積立で購入が可能になるよ

うな施策などが必要といった見方をする人もいる。

また、固定客が多いという特性を活かした紹介キャンペーンの実施、震災復興

時の記念硬貨プレゼントのようなプレミアムキャンペーンなども効果があると思

われる。

【発言要旨抜粋】

堅いものが良いという人は、個人向け国債がNISAで買えるとなると、孫のためにとい

う人が出てくると思う。(証券窓口)

NISA に国債オンリーの特別枠みたいなものがあれば全然違うと思う。(銀行内勤)

財形は貯金で利率も高くなかなかおろせない。それと同じ感覚で、定期預金でこれだけ持

っているなら国債に入れてしまって、お金を固定して利率が高く、一応解約もできるとい

うことで、定期預金代わりとして持っていただくのも良いと思う。(銀行内勤)

少額で積立みたいに 1 万円ずつなら年齢問わずいける。(証券外勤)

給与天引きなら貯蓄性があるので、法人と組んでやるのが一番手っ取り早いんじゃない

か。(証券外勤)

『個人向け国債』は好きな人はすごく好きだから、ご紹介キャンペーンで特典があるとな

ったら、売り上げが伸びていくと思う。(証券内勤)

震災の復興の際に記念硬貨がもらえたときに顧客が一番多かった。(銀行内勤)

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