あさひかわ緩和ケア講座 2014 - Asahikawa Medical...
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あさひかわ緩和ケア講座 2014 あさひかわ緩和ケア講座 2014
あさひかわ緩和ケア講座 2014
あさひかわ緩和ケア講座 2014 あさひかわ緩和ケア講座 2014
第7講 看護ケアⅠ (疼痛・便秘・呼吸困難)
旭川医科大学病院 看護部 6階西ナースステーション 緩和ケア認定看護師
笹田 豊枝
あさひかわ緩和ケア講座 2014
前回第6講アンケートより
• 当院では疼痛の程度をNRSで評価していますが、疼痛が強い患者さんは1~10の数字で評価することができない場合があります。
• 第6講でも環境整備や調整が重要であることを知りました。疼痛に対して、便秘に対して、呼吸困難に対して重要とされる点を教えてください。共通点や相違点を知りたいです。
ありがとうございます!盛り込みます!
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痛みの閾値を上げるケア
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痛みの定義 (国際疼痛学会)
■実際に何らかの組織損傷が起こった時、
あるいは組織損傷が起こりそうな時、
あるいはそのような損傷の際に表現される、
不快な感覚体験および情動体験
(日本緩和医療学会緩和医療ガイドライン作成委員会, 2010)
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末梢神経終末の侵害受容器が刺激されて発生した活性電位が、神経線維を通り大脳まで伝達
伝わる経路は、外側脊髄視床路(一次痛 )と内側脊髄視床路(二次痛 )の2つがあり、伝わる速度が違う
痛みの伝わり方
一歩進んだがん疼痛マネジメント.109ページより引用改変 2007
内臓刺激
イタッ! 痛ーい!
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下行性抑制系 意識のある人が痛みを我慢することにより痛みが和らぐことがある。
→下行性抑制系
• 視床下部→中脳水道周囲灰白質→大縫線核・大細胞性網様核→脊髄後角
• 青斑核→脊髄後角
7 生理学教室(疼痛):http://homepage2.nifty.com/uoh/kiso/fig/kakou_a.gif
痛みを抑制するメカニズム
あさひかわ緩和ケア講座 2014
事例1
子宮がん、骨転移(腰椎1、2、3) 病名・予後告知あり Ⅹ+4年 再発
抗がん治療が奏功せず中止 骨転移の痛みでロキソプロフェン3錠/3×を 内服しているが、痛みが増強している。 痛みで夜も眠れない、トイレに行くのも辛いと外 来を受診した。
A氏 60歳代 女性
→どのように痛みをアセスメントしますか
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全人的苦痛(トータルペイン)
(淀川キリスト教病院 ホスピス, 2001)
全人的苦痛 (total pain)
精神的苦痛 社会的苦痛
スピリチュアルな苦痛
不安
いらだち
孤独感
恐れ
うつ状態
怒り
経済的な問題
仕事上の問題
家庭内の問題
人間関係
遺産相続
人生の意味への問い
価値体系の変化
苦しみの意味
罪の意識
死への恐怖
神の存在への追及
死生観に対する悩み
痛み
他の身体症状
日常生活動作の支障
身体的苦痛
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痛みのアセスメントの基本
■患者が体験している痛みを理解する大前提
客観的に把握できる身体面のアセスメント
■痛みは主観的な症状であり、痛みを感じている
患者の表現なしにアセスメントはできない
(梅田, 2007a)
患者の主観を大切にしながら、画像データなどの客観的な情報と患者の主観的な 情報を関連づけていくことが重要である
11
痛みのアセスメントに影響を与える患者側の要因
■年齢:小児・高齢者
■認知障害・意識状態
■痛みの否定
■文化
■経済的な問題
■薬物の中毒歴
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痛みのアセスメント項目:<痛みの特徴>
日常生活への影響
痛みのパターン
痛みの強さ
痛みの部位
痛みの経過
痛みの性状
(日本緩和医療学会緩和医療ガイドライン作成委員会, 2010)
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痛みの増悪因子と 軽快因子
現在行っている治療の反応
レスキュー・ドースの効果と副作用
痛みの意味
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痛みのアセスメント項目:<痛みの原因>
■身体所見:
●皮膚の状態、皮膚感覚の異常、痙攣や筋委縮、
筋力低下、外傷、圧痛 など
■画像・血液検査所見:
●レントゲン、CT、MRI、
骨シンチ など
■神経学的所見:
●知覚障害、運動障害 (図:デルマトーム参照)
図:デルマトーム
あさひかわ緩和ケア講座 2014 中村惠子監修:CLNICAL SUPPORT BOOK 。2008年。東京法令出版株式会社より引用一部改変
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痛みのアセスメントを行うためのコミュニケーション
■患者とのコミュニケーション
●患者が主観的な痛みを、客観的に
表現できるように援助する
■多職種チーム内のコミュニケーション
●痛みの強さ、活動制限、治療への反応を
明確に記録に残し、チーム内で情報共有
できるように工夫する
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0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
痛みなし これ以上 耐えられないほど ひどい
●NRS(Numerical Rating Scale:数値的評価スケール)
客観的に痛みが表現できるよう支援する
痛みがとっても強い時には、痛みがおさまってからお聞きしますねと話してます
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客観的に痛みが表現できるよう支援する
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事例1つづき
子宮がん、骨転移(腰椎1、2、3) 病名・予後告知あり Ⅹ+4年 再発
抗がん治療が奏功せず中止 骨転移の痛みでロキソプロフェン3錠/3×に 加え医療用の麻薬のオキシコンチンが(5mg) 2錠/2×処方されるが、「麻薬を飲むくらい病 気が進行しているのか、怖くて本当は飲みたくな い」とA氏は担当看護師に話した。
A氏 60歳代 女性
→痛みを緩和する妨げには何が考えられますか?
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痛みの緩和のバリア
■ 具体的なバリア
医療スタッフのバリア 痛みのアセスメントの知識不足 など
医療システムのバリア 痛みの治療の優先度が低い など
患者・家族のバリア 医療用麻薬に関する誤解 など
(Davis GC et al., 2002; Ersek M, 1999; Gunnarsdottir S et al., 2002; McCaffery M & Pasero C, 1999; Miaskowski C et al., 2005; Paice JA & Fine PG, 2005)
■ 患者・家族とバリアについて話し合うことが 重要である
<痛みの緩和のバリア> 痛みを緩和するうえで障壁(妨げ)となるもの
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医療用麻薬の使用を躊躇する要因
Barrier Questionnaire
精神依存(麻薬中毒)になる
徐々に効果がなくなる
副作用が強い
痛みは病気の進行を示す
注射がこわい
痛みを治療しても緩和することができない
痛みを訴えない患者はよい患者であり、よい患者でありたい
医療スタッフは痛みの話をすることを好まない
(Ward SE et al., 1993)
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患者さんの目線と エビデンスを取り入れた がん疼痛治療 1.オピオイド導入編 監修:加賀谷肇、森田達也、 久原幸
あさひかわ緩和ケア講座 2014
ポイント1. オピオイド導入時の指導では 生活の向上を目標にする
麻薬を使用する患者の不安に対応する
患者が生活の中で痛みのために困っていることを改善するために服薬することを理解してもらう
監修 加賀谷肇、森田達也、久原幸:患者さんの目線とエビデンスを取り入れたがん疼痛治療 1.オピオイド導入編;P6より引用一部改変
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「この薬をのむと楽になります」 という表現
麻薬を使用する患者の不安に対応する
患者と医療者の間では、ひとつの言葉から誤解が生じることがある。患者がどのように受け止めているかに配慮しながら丁寧に説明をすすめる。
ポイント2.
監修 加賀谷肇、森田達也、久原幸:患者さんの目線とエビデンスを取り入れたがん疼痛治療 1.オピオイド導入編;P7より引用一部改変
楽って?
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ポイント. オピオイドの服用に消極的または否定的な患者に対しては、服用を説得するのではなく、患者が服用しない理由を尋ねてみる
患者の背景にある理由を知る
監修 加賀谷肇、森田達也、久原幸:患者さんの目線とエビデンスを取り入れたがん疼痛治療 1.オピオイド導入編;P9~11より引用一部改変
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Q:がん疼痛マネジメントを受けている患者に、疼痛マネジメントについて教育を行うことは有効か?
2014/10/17 25
1A(強い推奨、高いエビデンスレベル)
日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン作成委員会(編):がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン2010年版.金原出版株式会社.2010.
A:★がん疼痛マネジメントについて 患者教育を行うことで、痛みは 緩和する ★がん疼痛マネジメントについて 患者教育を行う
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事例1つづき
子宮がん、骨転移(腰椎1、2、3) 病名・予後告知あり Ⅹ+4年 再発
抗がん治療が奏功せず中止 骨転移の痛みでロキソプロフェン3錠/3×に 加え医療用の麻薬のオキシコンチンが(5mg) 2錠/2×処方されるが、「麻薬を飲むくらい病 気が進行しているのか、怖くて本当は飲みたくな い」とA氏は担当看護師に話した。
A氏 60歳代 女性
→薬物療法以外の痛みの感じ方(閾値)を 上げるケアは?
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痛みの閾値とは?
痛みの感じやすさをいう 痛みを感じる最小の刺激レベル(程度)
痛みの閾値が下がる →痛みが感じ 痛みの閾値が上がる →痛みが感じ
やすくなる
にくくなる
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痛みの感じ方=閾値 •
痛みの閾値に影響する因子
不快 不眠
疲労 不安
恐怖 怒り
悲しみ うつ状態
倦怠感
内向的心理
孤独感
社会的地位喪失
症状緩和
睡眠 休憩
周囲の人々の共感
理解
人とのふれあい
気晴らし行為
不安減退
気分高揚
鎮痛薬 抗不安薬 抗うつ薬
Twycross, et al 著, 武田文和 訳:末期患者の診療マニュアル, 第2版, 1991
これらを高める ことを考える
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疼痛マネジメントに役立つケア
痛みの閾値を上げるケア 患者を支えるコミュニケーション マッサージ ポジショニング(体位調整) 罨法(温罨法、冷罨法)
文献2より引用一部改変
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一人の人間として尊重する できる限り普段と同じような生活ができるような支援
【例】散歩をして大好きなコーヒーを飲む 馴染みの写真や置物を持ってきても良い あまり動かなくても物がとれるように配置
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痛みの閾値を上げるケア
1、日常性の維持
文献2より引用一部改変
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DoingからBeingへ 意識的・意図的に患者の側にいることの意義は大きい
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痛みの閾値を上げるケア
2、側にいること(presence)
文献2より引用一部改変
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ケアリング
患者の側にいること(presence)
*分かちあい
*観察
*傾聴
*なぐさめ
*付き添うこと
*コミュニケーョン
*共感
*カウンセリング
*触れること
*希望
*教育
*元気づけること
*支え
文献2より引用一部改変
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一種の感覚遮断の手段 聴覚、視覚、触覚など、痛覚以外に意識を集中させることにより痛みの感覚から自己を遮断する方法 テレビを観る、読書、会話、散歩、リハビリ、ユーモア、笑い等
痛みの閾値を上げるケア
文献2より引用一部改変
3、気分転換(注意転換法)
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マッサージ 深呼吸法 漸進的筋肉置換法 平和で穏やかな過去のことを想起
するイメージ法
痛みの閾値を上げるケア
文献2より引用一部改変
4、リラクセーション
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痛みの閾値を上げるケア
文献2より引用一部改変
情動と感情を司る大脳辺縁系に影響し、 精神生理学的反応を生じさせる
その場の雰囲気を変える 患者の気分転換になる 痛みのために心を閉ざしている時の一
種の風穴としての作用がある
5、音楽療法
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芳香成分を含む精油を吸入・入浴・マッサージなどによって体内に吸収→不安や緊張を緩和エビデンスレベルはB(行うよう勧められる)
-日本緩和医療学会:がん補完代替医療ガイドライン第1版-
実施前には必ず、患者の希望の有無を確認 実施に当たっては、専門家の指導のもとで行うのが望ましい
6、アロマテラピー療法
痛みの閾値を上げるケア
文献3より引用一部改変
あさひかわ緩和ケア講座 2014
当院緩和ケアチームでの活用例 1、エッセンシャルオイルの購入・・・ 純度分析証明書 Purity Analysis Certificate 精油に右記のような純度分析証明書が 発行されたり公開されているものを使用 する
アロマテラピー療法の活用の例
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2、マッサージなど身体に使用する場合 ①精油は、原則として希釈しないで身体には使用しない。1%希釈にしている(キャリアオイルに精油を混ぜる)
アロマテラピー療法の活用の例
1% 2% 3% キャリアオイル 5ml
精油 1滴 2滴 3滴
10ml 2滴 4滴 6滴 20ml 4滴 8滴 12滴
※精油1滴を0.05mlとして計算
希釈早見表
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2、②簡易パッチテスト 肌に使用する場合は、キャリアオイルで希 釈したものを1滴、キャリアオイルのみのも のを1滴、腕の内側に塗り、30分以上しても 炎症やアレルギー反応が起こらないか確認 してからマッサージに使用している
アロマテラピー療法の活用の例
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3、芳香浴 アロマブリーズ ティッシュやハンカチなどに アロマオイル原液を数滴しみ こませて使用 4、原則は個室で実施 ※入院中で大部屋の場合、当該病棟師長、看護スタッフの許可を得てから更に同室者の許可を得てから実施
アロマテラピー療法の活用の例
アロマブリーズ
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患者を支えるコミュニケーション 援助者になるためには
1、安心(守秘)
2、軽蔑されない
3、いつも援助者になってくれる
4、わかってもらえる
文献3より引用一部改変
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マッサージ
マッサージとは、軟部組織に対して、手指でさする、揉む、圧迫するなどの刺激を与えること
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知覚神経の 興奮
発痛物質の 産生・遊離
組織酸素欠乏 代謝産物蓄積
血管攣縮 筋緊張亢進
交感神経および 運動神経の興奮
末梢循環障害
マッサージは筋肉の攣縮を抑え、毛細血管の血流を改善することで代謝産物の蓄積を抑えるため下記の痛みの悪循環を断ち切る
痛み刺激が加わる
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マッサージ
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マッサージのエビデンス 痛みの閾値の上昇、関節可動域の改善、筋肉の緊張緩和、血行やリンパドレナージの改善、リラクセーション効果がある
・Gatlin CG et al:When medication is not enough:nonpharma-
cologic management of pain,Clin J Oncol Nurs 2007 ・Casslileth BR et al:Massage therapy for symptom control:Outcome study at a major canser center.J Pain Symptom Manage 2004 複数の無作為試験で(RCT)では、10~50分間のマッサージにより、直後の痛みのスコアが有意に下がったという報告がある
マッサージ
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スキンシップやコミュニケーションを図ることができる リスクは少ないが、リンパ節切除を行った患者、リンパ節転移のある患者、下肢に血栓症や塞栓症のある患者では、患側へのマッサージは控える 骨転移、出血傾向のある患者には強い圧迫や叩打は控える 実施前にはマッサージに専念できる時間を確保して行う実施者の手のあたたかさに留意する
マッサージ
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ポジショニング(体位調整)
体位調整は、褥瘡予防だけではなく、安楽の保持、循環や知覚・筋肉・認知を刺激する
あさひかわ緩和ケア講座 2014
レスキューの効果的使用 個々の患者が好む体位の把握する クッション、枕、バスタオル、スポンジなどの使用 体動で痛みが悪化する場合、複数のスタッフで愛護的に行う 患者に痛みのある部位を把握していること、それに配慮しながら行うことを事前に伝えてからの実施(恐怖感の低減)
ポジショニング(体位調整):コツ
あさひかわ緩和ケア講座 2014
• ホットパックや蒸しタオル、温熱毛布などで温めて症状を緩和する方法
罨法:温罨法
痛み 筋緊張
温罨法(加温)
痛みの減弱(?)
関節拘縮
・筋肉の弾力性増加 ・関節拘縮軽減
・皮膚の血行改善、血管拡張 ・組織の酸素・栄養供給促進
文献3より引用一部改変
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• 冷罨法は、コールドパックやアイス枕で冷やすことで症状を緩和する方法
罨法:冷罨法
文献3より引用一部改変
炎症物質産生 炎症 血管拡張、 透過性亢進
発熱 発赤 腫脹
痛み
冷罨法(冷却)
痛みの減弱(?)
代謝・酸素消費・腫脹・ 発痛物質・乳酸の減少 酵素活動
の破壊
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痛みの閾値を上げるケア:まとめ 痛みは“情動体験”であり、“痛みの意味”は個人によって様々である。“痛みの意味”や“痛みを装飾している因子”をアセスメントすることは痛みのマネジメントに有効である
薬物療法以外の疼痛マネジメントに有効なケアは、日常的に自然と看護師が行っているものが多い
エビデンスレベルの高い疼痛緩和技術はほとんどないのが現状だが、がん疼痛マネジメントについて患者教育を行うことは強く推奨、高いエビデンスがある
個々の患者に合わせて心地よいと思うケアを提供することが痛みの閾値を上げ、緩和することに役立つため、意識的、意図的に行う
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便秘のケア
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事例2
がん、骨転移(腰椎1、2、3) Ⅹ年+1年
抗がん治療中である オキシコンチン40mg/2×で内服している もともと便秘傾向で、2日に1回の硬便であった オキシコンチン開始とともにマグラックス3錠/3×、 プルゼニド2錠/就寝前で内服開始しているが、 排便が4日ない
B氏 成人女性
→薬物治療のほかにどのような非薬物ケアをし ますか?
あさひかわ緩和ケア講座 2014
便秘とは、一般的に排便回数や量の減少(3~4日以上排便がないなど)とされているが明確な定義はない 排便習慣は個人差が大きいため、これまでの習慣に比べて回数減少、苦痛を伴う場合便秘とみなす
便秘
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がん患者の多くにみられる 進行がん患者の約50%、末期がん患者の75%にみられる 便秘は、食欲不振、悪心・嘔吐、腹痛、不眠など、他の症状を伴うことがあり、生活の質を低下させる要因のひとつ
がん患者の便秘
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腸閉塞との鑑別 補正が可能な高カルシウム血症、低カリウム血症、甲状腺機能低下症、糖尿病の影響を除外することが必要→医師にフィードバック 薬物療法が主体になることが多いが、その効果を高めるためにも非薬物療法を並行して行う
がん患者の便秘
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触れる 視る 聴く
便秘の観察とアセスメント
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便秘の原因
(恒藤 他, 2007c; 本田, 2008)を一部改変
心因性 ●不適切な環境、抑うつ
神経因性 ●脊髄神経圧迫
食事性 ●食事・食物繊維・水分の摂取減少
全身性 ●全身衰弱、活動性低下、腹圧低下
電解質異常 ●高カルシウム血症、低カリウム血症
消化管異常 ●腸管内腔の狭窄・閉塞、腸管外からの 圧迫
薬剤性 ●オピオイド、抗うつ薬、利尿薬 など
58
便秘のアセスメントの視点
(本田, 2008)を一部改変
■ 排便状態、排ガスの有無
■ 排便困難感や残便感の有無、程度
■ 便秘の原因・誘因
■ 腸蠕動音の有無、程度
■ 画像データ、直腸指診、腹部触診
■ これまでの排便習慣・排泄方法
■ 患者自身の取り組み
■ 食事・水分の摂取状況
■ 随伴症状の有無、程度
■ 排便に対する患者の思い
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便の種類
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便秘に対する主な治療
原因の治療
●消化管閉塞への対応
●代謝・電解質異常への対応
●原因となる薬物の検索 など
対症療法
●個人の排便習慣を把握して予防的に関わる
●薬物療法
便が硬い時:浸透圧性下剤
硬さは良いが出ない時:大腸刺激性下剤
(木澤, 2010b)を一部改変
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便秘の看護介入のポイント
下剤の内服方法の説明 食事内容や摂取方法の工夫 水分摂取 排便習慣 腸蠕動促進への援助 腹圧を高めるような工夫 適度な運動
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便秘の看護介入のポイント
下剤の内服方法の説明 食事内容や摂取方法の工夫 水分摂取 排便習慣 腸蠕動促進への援助 腹圧を高めるような工夫 適度な運動
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オピオイド内服時の便秘
オピオイドによる便秘の機序 耐性がつかない・・・便秘の戦略が必要
肛門括約筋の緊張
オピオイド
大腸蠕動 運動の抑制
水分が吸収されて便が硬くなる
さらに蠕動運動が低下する
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下剤調節のポイント
下剤の種類 (製品名)
主な効果 ポイント
便の硬さの調節
浸透圧性下剤 ・ラクツロース® ・マグミット® など
便を軟らかくする
硬い時は増やす、緩い時は減らす、ということを指導し患者自身が調節できるようにする
腸の運動の調節
刺激性下剤 ・プルゼニド® ・アローゼン® ・ラキソベロン® など
腸蠕動を亢進させる
一日の排便量、排便間隔によって調節する普通~軟便が*2~3日に1回はでることを
目標に調節する(*患者自身と具体的に話し合う)
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便秘の看護介入のポイント
下剤の内服方法の説明
食事内容や摂取方法の工夫
水分摂取
排便習慣
腸蠕動促進への援助
腹圧を高めるような工夫
適度な運動
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水分摂取の効果
水分負荷のエビデンス 寝たきり老人への約370mlの水分負荷は、便秘を改善した
Fukai,et al.:Effect of fluid intake on bo
wel habits in the elderly.Kawasaki Journal of Medical Welfare
健康女性に500mlの水分負荷を行った結果、腸音出現頻度が約30分間有意に増加した
深井、他:水または運動負荷と温罨法の健康女性に及ぼす
影響.川崎医療福祉学会誌,6:99-106,1996.
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便秘の看護介入のポイント
下剤の内服方法の説明
食事内容や摂取方法の工夫
水分摂取
排便習慣
腸蠕動促進への援助
腹圧を高めるような工夫
適度な運動
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温罨法 マッサージ:「の」の字 つぼの刺激:便秘点、大腸愈など
腸蠕動促進への援助
臍より1横指左、そこから 3横指下が 便秘点
第4、第5腰椎棘突起の間の外側2横指のところが 大腸愈
文献9より引用・改変
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便秘:まとめ
便秘は、がん患者の多くに見られ、生活の質を低下させる要因の一つである がん患者の便秘は、排便の有無を観察するのみではなく、便秘を包括的にアセスメントし、薬物療法と非薬物療法を並行し、症状を緩和することが重要
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呼吸困難のケア
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X+2年泌尿器がん、多発肺転移、多発リンパ節転移、多発肝転移増大 倦怠感と呼吸困難感が増強し入院 労作時息切れがあるが、SPO290%代後半 入院後の検査で、がん性リンパ管症と診断
事例3
C氏男性
→薬物治療のほかにどのような非薬物ケアをしますか?
72
呼吸困難の定義
<呼吸困難>
●「呼吸時の不快な感覚」という主観的な症状
<呼吸不全>
●「酸素分圧( PaO2)≦60Torr」という客観的な病態
呼吸困難は、呼吸不全と必ずしも一致しない
呼吸 困難
呼吸 不全
73
呼吸困難の頻度と患者に与える影響
■呼吸困難の頻度は、がん患者の19~35%である
■呼吸困難がある場合、不安や抑うつも見られることが多い
■呼吸困難の重症度が高いと、QOLは低下する
■呼吸困難は、進行がん患者の「生きる意欲」を阻害する
(Morita T et al., 2005)
(Tanaka K et al., 2002)
(Smith EL et al., 2001)
(Chochinov HM et al., 1999)
74
呼吸困難の原因
(茅根 他, 2010)
呼吸機能 の低下
●換気機能の低下 ●ガス交換能の異常 ●肺循環の異常 など
精神的要因 ●不安、恐怖 ●環境 ●過換気症候群
全身状態 の変化
●全身衰弱 ●呼吸筋麻痺 ●腹部病変による横隔膜運動の制限 ●貧血 ●水分出納のアンバランス など
75
呼吸困難のアセスメントの視点
(茅根 他, 2010)を一部改変
■ 呼吸困難の原因、誘因
■ 呼吸困難の程度、発生状況
■ 身体症状
■ 日常生活動作
■ 精神状態
■ 現在の病状・病期と予後予測
■ 治療効果と副作用の程度
■ 呼吸困難に対する患者・家族の思い
あさひかわ緩和ケア講座 2014
なぜ「きく」ことが大切か 1、呼吸困難は主観的な症状→本人にしかわからない 2、症状の他者評価は自己評価とは異なる 3、「息苦しい」という表現だけが呼吸困難ではない 例:息が吸えない、息が吐ききれない 空気が薄い、空気が足りない、胸が重い 切ない、身のおきどころがない
患者の訴えをきくこと(言語的・非言語的)がマネジメントの第一歩
呼吸困難の訴えをきく
あさひかわ緩和ケア講座 2014
呼吸困難の悪循環
呼吸困難+説明不足 ⇩ 不安+恐怖 ⇩ 呼吸数の増加 ⇩ 呼吸困難の悪化
あさひかわ緩和ケア講座 2014
呼吸困難に対する非薬物療法
• 呼吸困難の治療を最初の段階から支えていく
あさひかわ緩和ケア講座 2014
呼吸困難のケア
療養環境の調整 呼吸理学療法 酸素療法中の配慮 姿勢の工夫 不安への対応 便秘の予防 口腔ケア
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呼吸困難に対するケア
● 低 温 、 気 流 (外気、うちわ、扇風機)
●酸素をしながら動 け る よ う に 部屋を整備する
●ナースコール・ 薬を手元におく
●そばにいる ●タッチング ●十分な説明
●においなどの不快感に対処
●乾燥しやすいので、い つ で も 水 分 を 取れるようにする
● 酸素チューブの長さ
●起座位 ●患者の楽な姿勢 ●クッションや枕の使用
姿勢の工夫
環境調整
不安への対応 便秘の予防
口腔ケア
酸素療法中の配慮
あさひかわ緩和ケア講座 2014
呼吸困難のケア
療養環境の調整
酸素療法中の配慮
姿勢の工夫
不安への対応
呼吸理学療法
便秘の予防
口腔ケア
あさひかわ緩和ケア講座 2014
• 低温、気流(外気、うちわ、扇風機)
• 酸素をしながら動けるように部屋を整備
• ナースコール・薬を手元におく
呼吸困難のケア:環境調整
あさひかわ緩和ケア講座 2014
呼吸困難のケア
療養環境の調整
酸素療法中の配慮
姿勢の工夫
不安への対応
呼吸理学療法
便秘の予防
口腔ケア
あさひかわ緩和ケア講座 2014
• においなどの不快感に対処 • 乾燥しやすいので、いつでも水分を取れるようにする
• 酸素チューブの長さ
呼吸困難のケア: 酸素療法中の配慮
あさひかわ緩和ケア講座 2014
呼吸困難のケア
療養環境の調整
酸素療法中の配慮
姿勢の工夫
不安への対応
呼吸理学療法
便秘の予防
口腔ケア
あさひかわ緩和ケア講座 2014
• 起座位 • 患者にとっての楽な姿勢 • クッションや枕の使用
呼吸困難のケア:姿勢の工夫
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呼吸困難のケア
療養環境の調整
酸素療法中の配慮
姿勢の工夫
不安への対応
呼吸理学療法
便秘の予防
口腔ケア
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• そばにいる • タッチング • 十分な説明
呼吸困難のケア:不安への対応
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呼吸困難のケア
療養環境の調整
酸素療法中の配慮
姿勢の工夫
不安への対応
呼吸理学療法
便秘の予防
口腔ケア
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呼吸困難のケア:呼吸理学療法
適応(全身状態が比較的良好で、予後予測 2~3カ月以上)について検討し、口すぼ め呼吸や、腹式呼吸を指導する リラックス効果もある ただし、呼吸困難が強い場合は、かえって
呼吸困難を助長させることにつながりかね ないので、無理をしない
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呼吸理学療法:リラクセーション 呼吸補助筋群のマッサージ 頚部、背部のマッサージはお手軽にできかつ効果がある 呼吸補助筋群の緊張を低下 呼吸パターンを改善
菱形筋
僧帽筋
大胸筋
胸鎖乳突筋
斜角筋
脊柱起立筋 腰方形筋
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リラクセーションの方法 楽な体位(ポジショニング)
①前傾姿勢で上肢を支持すると頚部の吸 気補助筋の吸気運動が有効に働く ②前傾坐位により腹圧が上昇し、横隔膜 の機能が改善する ③臥位に比べ静脈還流が減少し、肺うっ血 が減少する
なぜ起座呼吸で呼吸困難が改善するのか??
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呼吸理学療法:呼吸訓練
口すぼめ呼吸 口をすぼめて、息をゆっくり呼出することにより、細気管支に圧を与え、気道の閉塞を改善する呼吸法 日常生活における呼吸法
「1.2」で息を吸い「3.4.5.6」で吐く
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口すぼめ呼吸 口すぼめ呼吸が呼吸を楽にするメカニズム
普通の呼吸
口すぼめ呼吸
肺胞
つぶされる細気管支
口すぼめによって 細気管支に圧がかかるので、
容易につぶされない
よかった~
文献10より引用一部改変
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呼吸困難のケア
療養環境の調整
酸素療法中の配慮
姿勢の工夫
不安への対応
呼吸理学療法
便秘の予防
口腔ケア
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昨年の質問
呼吸困難のケアに便秘の予防が含まれていましたが、呼吸困難と便秘の関連はなんですか?
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返答
呼吸困難感があるときは怒責(いきむ)ができない、もしくは怒責をすると呼吸困難感が増強することがある 呼吸困難があるときに、オピオイドなど便秘の副作用がある薬剤を使用することも理由のひとつ 便秘予防のケア、予防が難しくすでに便秘がある場合は、どのようにケアをしていくかを検討する
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呼吸困難のケア:まとめ
呼吸困難は、がんの種類や病期を問わず頻度が高く、また最も緩和困難な症状の一つである 呼吸困難は、患者の主観的な症状である。不安や死の恐怖につながりやすいため訴えをきき、十分な説明と保証を与えることが重要である
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Take Home Message! 痛みは“情動体験”であり、“痛みの意味”は個人によって様々である。“痛みの意味”や“痛みを装飾している因子”をアセスメントすることは痛みのマネジメントに有効である
薬物療法以外の疼痛マネジメントに有効なケアは、日常的に自然と看護師が行っているものが多い
エビデンスレベルの高い疼痛緩和技術はほとんどないのが現状だが、がん疼痛マネジメントについて患者教育を行うことは強く推奨、高いエビデンスがある
個々の患者に合わせて心地よいと思うケアを提供することが痛みの閾値を上げ、緩和することに役立つため、意識的、意図的に行う
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Take Home Message!
便秘は、がん患者の多くに見られ、生活の質を低下させる要因の一つである
がん患者の便秘は、排便の有無を観察するのみではなく、便秘を包括的にアセスメントし、薬物療法と非薬物療法を並行し、症状を緩和することが重要
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呼吸困難は、がんの種類や病期を問わず頻度が高く、また最も緩和困難な症状の一つである 呼吸困難は、患者の主観的な症状である。不安や死の恐怖につながりやすいため訴えをきき、十分な説明と保証を与えることが重要である
Take Home Message!
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参考文献 1.恒藤 暁・内布敦子(編):系統看護学講座 別巻10 緩和ケ
ア.2008 2.高橋 美賀子(編):がん患者のペインマネジメント.日本看護協
会出版会 2007 3. 林 章敏他(編):がん性疼痛ケア完全ガイド.照林社.2010 4.城ヶ端初子(編):やさしい看護理論②ケアとケアリング.MCメ
ディカ出 版.2007 5.深井喜代子:ケア技術のエビデンス.へるす出版.2007 6.OPTIM 「緩和ケア普及のための地域プロジェクト」(厚生労働省
研究 がん対策のための戦略研究):http://gankanwa.jp/tools/pro/index2.html
7.小山富美子他(編):今日からできる疼痛ケア.がん看護1・2月増刊号.南江堂.2010
8.川村三希子他:症状マネジメント~疼痛以外の患者の訴えに看護師ができること~.がん看護3・4月号.南江堂.2010
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参考文献 9.寺澤捷年他:JJNブックス 絵でみる指圧・マッサージ.医学書院.2009
10.並木昭義(監):呼吸理学療法の第一歩.南江堂.2006
11.田中桂子(監修):がん患者の呼吸困難マネジメント.照林社.2004.
12.ELNEC-Jコアカリキュラム
13.日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン作成委員会(編):がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン2010年版.金原出版株式会社.2010.
14・ 監修 加賀谷肇、森田達也、久原幸:患者さんの目線とエビデンスを取り入れたがん疼痛治療 1.オピオイド導入編.提供大日本住友製薬株式会社.2012年
15.日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン作成委員会(編):がん患者の消化器症状の緩和に関するガイドライン2011年版.金原出版株式会社.2011.
16.日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン作成委員会(編):がん患者の呼吸器症状の緩和に関するガイドライン2011年版.金原出版株式会社.2011.